新規にある事業を始める・・・または、既にある事業を個人事業で行っているが、会社にするかどうか迷っているという方も多いでしょう。会社を設立する主なメリット・デメリットを挙げてみますので、ご自身の事業の業態等でどちらが向いているか、考えてみましょう。
会社にすることのメリット
- 信用がアップする
例えば、出資・融資を受けたり、人材の募集や取引先の獲得にあたって、一般的に、個人事業に比べると会社の方が信用力があるとされています。
- 規模を大きくしやすい
会社は新たな出資者等より増資することができますので、個人事業に比べ規模を拡大しやすいといえます。
- 有限責任である
株式会社や合同会社は出資の範囲に責任が限定されているので、仮に多額の負債を負ったとしても、株主は出資額以上の責任を負うことはありません。
- 決算期を設定できる
個人事業だと皆そろって12月決算ですが、会社だと決算期を別に設定できます。
- 課税制度が違う
儲けに対する税金のかかり方が違います。個人の場合、課せられる税金は所得税です。超過累進課税のため、儲けが多くなるほど税率も上がっていき、最高税率は50%になります。一方、会社の場合は法人税で税率は一律です。 そのため、一定以上の儲けが出るようだと、会社の方が節税効果があるといえます。
会社にすることのデメリット
- コスト
個人事業を始めるには届出だけでいいですが、会社設立するだけでも登録免許税等のコストがかかります。また、個人事業の場合は赤字をだすと、所得税は課税されませんが、会社の場合は赤字でも法人住民税の均等割がかかります(規模によって異なるが少なくとも7万円)。
- 交際費の一部が損金不算入
交際費は接待などで使う費用ですが、この交際費について違いが出てきます。個人事業の場合、交際費は全額損金(経費)にできます。これに対し、会社にすると、損金に算入(会社の経費に)できる額が制限されます。国税庁ウェブサイト:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
- 経理の管理
個人と会社は別のものですので、個人と分けて会社の経理を管理しなければなりません。また、株式会社の場合、法律上、決算公告を行う義務があります。