定款は、会社の組織や運営のルールを定めた重要なものです。いわば、会社における憲法といえるものです。平成18年5月1日より会社法が施行され、定款自治が幅広く認められるようになりました。これにより従来に比べてさらに定款の重要性が高まったといえるでしょう。
会社設立時の定款(原始定款)を作成する場合や、会社設立後の定款記載事項の変更については所定の手続きをしなくてはなりません。定款の雛形などは大きな書店でも購入可能ですが、記載事項は会社法によって定められていますので、作成にあたっては十分に注意にしましょう。
保管した定款や議事録は、会社設立の時のみならず、許可等の手続きのときにも必要となることがあります。会社にとって定款は重要性なものです。できるだけ専門家に相談して作成することをお勧めします。
【1】定款に記載される事項
定款には必ず記載しければいけない絶対的記載事項、効力を発生させたいなら定款への記載が必要な相対的記載事項、記載しても記載しなくても構わない任意的記載事項、記載しても無意味な無益的記載事項、また、記載内容が法律に反するため定款自体が無効となる有害的記載事項があります。
絶対的記載事項(会社法27条、37条)
- 目的(会社の業務内容)
- 商号(会社の名称)
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名または名称、および住所
- 発行可能株式総数(37条)
相対的記載事項
- 設立に関すること(28条など)
- 株式に関すること(107条など)
- 株主総会に関すること(249条など)
- 機関に関すること(326条など)
任意的記載事項
- 種類株式の発行について(32条など)
- 設立時役員(38条)
- 取締役選任方法(349条)、取締役の報酬 (361条)など
無益的記載事項
有害的記載事項
【2】定款の認証
定款の認証とは、株式会社の設立に際して、発起人または社員が作成する定款(原始定款)を公証人が認証することです。株式会社の定款は、公証人の認証を受けて初めてその効力を発するので(持分会社の場合は、公証人の認証は必要ありません。)、株式会社設立の際の原始定款は、必ず公証人の認証を受けることになります。
どこの公証役場でうけるのか?
定款の認証は、設立する会社の本店の所在地を管轄する法務局または地方法務局の所属公証人が行わなければなりません。例えば大阪市に本店を置く場合は、大阪法務局所属の公証人が行います。東京都に本店を置く会社の定款を、大阪法務局所属の公証人が認証することはできません。
電子定款と紙定款
電子定款とは、この定款をパソコンなどを使い、デジタル化された電子文書にし、電子署名をしたものです。紙定款は電子データではなく、紙に記録し、署名を付した定款です。
電子署名
電子署名とは、わかりやすくいえば「デジタル化された印鑑」です。株式会社設立の手続きでは、公証人に定款の認証を受ける際に、「この電子定款は間違いなく本物だ」と証明するために使います。電子署名のない電子定款は認証されません。
電子署名をするためには、特定のアプリケーションやICカード、ICカードリーダ等が必要となります。
公証人に定款の認証を受ける際に必要な費用
電子定款の認証の場合、認証1件・謄本を2通請求した場合、公証人の認証手数料50,000円と謄本代等2,000円程(ページ数による)が必要です。公証役場によっては、別途CD-R等の電子データを保存するメディア代(50~100円程度)が必要です。
紙定款の認証を受ける場合は、印紙代40,000円が別途必要です。
【3】定款を変更する
定款の変更については、本ウェブサイトの以下のページをご覧ください。
>> 定款の変更