定款の任期の記載例
「第○条 取締役の任期は、選任後~○年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとする。」
取締役の退任の原因となる事項には、以下のようなものがあります。
【退任事由】
退任の手続きは、本ページ下部の以下の項目でご確認下さい。
役員には任期があります。役員の任期は定款の任意的記載事項ですが、定款に記載されているのが一般的だと思います。この任期の満了により、取締役を退任するケースです。
「第○条 取締役の任期は、選任後~○年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとする。」
取締役が任期満了で退任したことにより、法律上または定款上定められた員数に足らなくなった場合、退任した取締役は、新たに選任された取締役が就任するまで取締役の職務を行うことになります。
小規模の会社では、取締役が任期満了後も引き続き取締役を務めることが多いでしょう。任期以降も引き続き取締役を続ける場合には、任期満了による退任の手続きをとらず重任の手続きを行います。
また、特に注意が必要なのは、以下のような定款変更による任期満了のケースです。
これらの場合、まだ取締役の任期が残っていても、定款変更の効力が生じたときに取締役の任期は満了します。
取締役は、会社に雇用されているわけではなく委任契約になるので、いつでも辞任することができます。
通常は代表取締役対して行います。何らかの事情で受領できる取締役がいないという場合は、株主総会に対してすることになります。
普通は「~月末付けで辞任します」ということが多いでしょう。このように、将来の一定の日を決めて、その日に辞任するという意思表示を行ったときは、その一定の日に辞任したことになります。一定の日が決まっていない場合は、辞任の意思表示が会社に到達したときに効力を生じることになります。
任期の満了の場合と同様に、当該取締役が辞任したことによって、法律または定款で定めた取締役の員数に欠けることとなる場合には、当該取締役は後任者が就任するまで、引き続き権利義務を有するとされています。
解任は、前記の辞任が当該取締役の意思で辞めるのに対して、当該取締役の意思によらず辞めてもらうケースです。
解任には、以下があります。
役員の選任または解任は、株主総会の決議で行います。
この場合の決議ですが、定款に特に定めがなければ、普通決議で構いません。つまり、議決権を行使できる株主の過半数が出席し、その出席した株主の過半数で決定します。
定款に決議についての定めがある場合は、それに沿った決議にて行いましょう。
特に定めた例としては次のようなものが考えられます。
※定款で、出席割合や決議に必要な議決権の数を変えることができます。
定款に決議についての定めがあるのに普通決議により役員を解任してしまうと、株主総会での選任・解任決議が無効になることもありますので、注意が必要です。
また、株主総会の決議とはいえ、正当な理由もなく任期満了前に取締役を解任すると、その取締役から損害賠償請求される可能性もあります(法339条2項)。
例えば、取締役が職務執行に関して不正行為をしたり、法令や定款に違反するような重大事実があったにもかかわらず、株主総会で当該取締役の解任が否決されたようなときは、その決議後30日以内に一定の株主は裁判所に当該取締役の解任を請求することができるとされています(法854条)。
この裁判で解任を言い渡されると、取締役は解任されます。
定款で取締役の資格を定めていた場合に、任期中にその資格を失ったときは、取締役を退任することになります。
取締役が死亡したり、破産手続き開始の決定を受けた場合、退任します。
死んでしまうと退任するのは当然ですが、破産手続きの開始があった場合というのは、取締役の欠格事由(法331条第1項各号)には挙げられていませんが、委任契約(民法653条)の終了事由にあたることから、退任することになります。
法331条第1項第2号~第4号の欠格事由に該当すると、取締役は退任します。
欠格事由としては
があります。
会社が解散したり、会社が破産手続きの開始決定が受けますと、取締役も退任します。
取締役に関する事項は登記事項ですので、その変更があったときは、所定の手続きをしなくてはいけません。手続きは変更があったときから2週間以内に行います。申請先は、本店所在地を管轄する法務局です。
取締役が辞任してしまうと法律上または定款上の員数を欠くこととなってしまうため、後任の取締役が決まるまで、引き続き職務を執行しているような場合は、後任の取締役が就任してから2週間以内に手続きを行うことになります。
一般的な場合を記載しています。実際の手続きにあたっては、管轄法務局の窓口にご確認下さい。
役員の変更にかかる登録免許税は、変更する役員の人数に関わらず
機関の変更も必要な場合(取締役会や監査役を設置する・設置しないとする変更の場合)は、設置する機関ごとに3万円の登録免許税が必要です。
【例】取締役会を置く+監査役を置く場合の登録免許税
取締役会設置3万円+監査役設置3万円+監査役の変更(監査役就任)1万円=7万円